ご挨拶

ご挨拶

日本のエスペランチストで3月11日から2~3日に一度、大震災の状況を世界の友人に発信している人がいる。最初はお悔みを送ってきた外国人に送りはじめ、今その人数は150人を超えているようです。さらにフランスのエスペランチストのメーリングリストに流してくれる人も現れ、多分3000人には配信されているという。また世界エスペラント協会の機関誌「エスペラント」にも記事が記載され、この読者は約8000人。中国のエスペラント語放送でも、地震直後にインタビューを受け、放送された。この中国国際放送は世界中に流されている。さらに、同氏の報告はフランス語に翻訳され、エスペランチストでない人にも流されていったり、地方の新聞記事になったりしている。
その後続々とメールが届いているとのこと。

一番初めに来たメールは、モンゴルのエンケからで、「今、地震の報道をテレビで見ているが、大丈夫か」というもの。3月11日の16時48分の受信だ。17:55には知らないフランス人から、18:12には知人のモンゴル女性ダグバから。18時19分には、フランスのセネカル夫妻から「テレビで見ているが、私にとって一番重要な情報、つまり日本のエスペランチストが大丈夫か、という情報が欠けている」と言ってきた。この人は2009年に来日して、東北まで旅行して、東北エスペラント大会にも参加しているから、心配もひとしおというところだ。2日後にはまた「報告ありがとう、仙台からのメールはあったが、福島の情報がない。心配だ」(ノルマンジーにあるセネカルさんの会と福島の会は『姉妹エスペラント会』なのだ)。こうして3月末までに届いたメッセージは、概算140人、45カ国に達した。エスペラントの広さを示すために国名を挙げてみる。

スウェーデン、韓国、イラン、ポーランド、ウズベキスタン、イスラエル、マレーシア、フランス、パキスタン、チリ、インド、オランダ、キューバ、ポーランド、中国、ベトナム、ベルギー、イラン、カザフスタン、スペイン、フィンランド、ブラジル、ロシア、アルメニア、フィリピン、オーストラリア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、イギリス、イタリア、ルクセンブルグ、ブルガリア、チェコ、ブルンジ、デンマーク、エストニア、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、インドネシア、アイルランド、アイスランド、カナダ、アメリカ、リトアニア、モンゴル。

一番多かったのは、フランス人の47人。これは、フランスにエスペランチストが多いことによる。メールを送ってきた全員が知り合いというわけではなく、まったく今まで交流のなかった人も結構いるし、メールだけ交換していたという人もいる。つまり、エスペランチストは、エスペラントをやっているということだけで連帯感があり、こういうときにはメール時代の利点を生かして、大量のお見舞いのメールが飛び交うという訳である。それに、言語の障害がないので、劣等感もなく皆気楽に送信するのだ。インターネット時代に、エスペラントは活用範囲がますます広がり、素晴らしいのです。