La Vento 404

N-ro 404    2019年 11月号
La VentoSuita Esperanto-societo

吹田エスペラント会会報   発行:矢野義男 吹田市山田東2-25-13
郵便振替 00970-0-319578   年会費 6000円  準会費 2400円
ホームページ http://suita.chu.jp

☆ 2019年度吹田市民文化祭参加、エスペラントふれあい講演会終わる!!
11月3日(日・祝)に千里山コミュニティセンター3階多目的ホールで午後2時半~4時半まで「エスペラントふれあい講演会――国境なき医師団・イラク活動報告」が開催された。参加者は25名(吹田エス会からは、佐藤、松田、大畑、松井、矢吹の5名)。
初めに佐藤副会長の挨拶。大きな自然災害が起こっている今こそ地球市民の連帯の必要性がある。昨年5月にここで開催されたエスペラント関西大会のスローガンは「壁をのり越えて、希望を見出そう」だった。本日の講演と相通じるところがあるので国境なき医師団の活動を詳しく聞きたいと。
次に恒例の吹田第六中学校コーラス同好会がエスペラント語で “Esperannto estas la
lingvo por ni” と, “Rugxlibelo”を 日本語で「涙そうそう」と手話付きで「翼をください」を披露。
休憩の後、講演会が始まる。講師は箕面市在住の佐藤真史さん(佐藤守男さんの息子さん)。2018年12月~2019年5月までの半年間、イラクの第2の都市、モスルで「国境なき医師団の手術マネージャーとして活動されていた方だ。
プロジェクタの画像で説明をされながら「小さい頃の夢は大工さんになることだったが…。」と穏やかな口調で講演を始められた。
国境なき医師団(MSF)は、フランスで1972年に設立。仕事は緊急医療援助と証言活動(独立性・中立性・公平性という活動原則に従い現地に実際に起きていることを知らせる活動)。活動地は、アフリカ、中東、アジアなどの紛争地・難民キャンプ・自然災害・食糧危機など。緊急事態発生から48時間以内に援助のプロジェクトが開始できるようにしている。どこかの国に縛られず、自由な活動ができるように活動資金は96%が民間の寄付で担う。次にモスルがどんな所か、イラクの歴史的背景(サダム・フセイン政権、イラク戦争、イスラム国の台頭、イラク政府のモスル奪還など)を話された。現地での仕事についても話された。仕事場はトレーラー3台分でリカバリー、手術室、洗浄滅菌室の3つで狭く、特に手術室は清潔を保つのに神経を使うそうだ。仕事はOTマネージャとしてOTの運営、現地スタッフの指導、勤務計画作成、時にはオペにつくことも。ISとの戦闘で負傷感染した患者、交通事故患者,火傷患者などが多く、患者の4割が薬剤耐性菌感染症なので薬剤耐性菌との戦いだ。
6か月のミッションの前半は近くの遊園地や店などに外出できたが、後半は自爆テロを
警戒しながら住居と病院の往復となった。いざという時は、厚さ20cmの壁で囲まれたセーブルームに逃げ込む。現地の復興はなかなか進まない。難民キャンプから仕事がないために出られないことも一因。
ミッションを終えて、民族の違いを乗り越えて人として接していくことの大切さを感じた。
今、あなたが国境なき医師団とともにできることは、「世界で起きている人道的危機について、知り、考え、つたえる」「国境なき医師団の活動に参加する」「国境なき医師団の活動を寄付で支援する」このどれかに協力してほしい。
講演の後、質疑応答。①赤十字とMSFの違いは? MSFは証言活動を大事にしている点が違う。②ミッションの中、イスラム国の戦闘員も対象となるのか? 誰でも対象になる。(本人は隠していると思うが)。③クルド人と医師団との関係は? 特にない。④MSFに行きたいと医師が思った時、日本の医療機関の理解は?休職や休暇をとって参加する人はいる。手術看護師に比べ一般看護師の希望者が多いので採用されにくい。⑤ミッションに参加しようと思ったきっかけは? 大学時代にバングラディシュに行って、貧しいけれどたくましく生きているすてきな人々に会えたこと。⑥現場ではどんな言語を使っているのか?フランス語か英語。
佐藤真史さんの講演をお聞きして(感想)
いつ紛争に巻き込まれて命の危険にさらされるかわからない所で、患者さんたちを救うために骨身を惜しまずに活動されている佐藤真史さんたちの現状をお聞きして、私たちにはとてもできない勇気ある行動だと思いました。最近、長男が隣国へ単身赴任したり、次男が1週間ほどの海外出張をすることが立て続けに起きたのですが、それだけで私は大丈夫かと心配でした。困っている人を救うためなら精一杯頑張って活動して来いと真史さんを送りだす佐藤家の家族の皆さんの心の広さにも感動しました。なかなかできないことだと思います。さて、今の私にできることは何か。本日知ったMSFのことを友達に知らせ、ささやかな寄付を続けることだと思いました。佐藤真史さん、お体に気をつけてこれからもMSFの活動をなさってください。                  (矢吹あさゑ)

☆ 会員の松川真木子さんが家にお迎えした二人の外国人のお客様について原稿を寄せてくれましたので掲載させていただきます。

《10月のお客様》
10月に、我が家は二人のお客さんを迎えた。

★10月10~13日・3泊
ベルギーからの Ben Indestege さん。40歳。8月に二人連れで来日していて、今回は単独で再訪。前回も我が家に宿泊していたので二ヶ月ぶりの再会。
・10日(木)は姫路城へ。夕飯は私の両親(岡山の原田)を呼んで姫路市内で会食。
・11日(金)箕面の滝を散策、川床で昼食。
元々、二泊して12日には埼玉へ移動しエスペラント日本大会へ参加する予定だったが、台風のため新幹線が運休し移動できず。致し方なくもう一泊することになった。
・12日(土)は大阪も台風の影響を受け出掛けることもできず、家で家族とビデオを見たりトランプなどして過ごした。
・13日(日)一日遅れで開催された日本大会へ参加するために埼玉へ向けて出発。新大阪まで送った。

★10月20~24日・4泊
イギリス、ロンドンからの Matt Peperell さん。40歳。
10月18~20日に福岡で催されたポリグロットコンファレンスに参加するために来日。
・20日(日)夜遅くに到着。
・21日(月)京都観光へ。金閣寺、龍安寺、仁和寺、錦市場を巡った。
・22日(火)奈良観光へ。春日大社、東大寺、興福寺など。鹿を撫でて喜んでいた。鹿のぬいぐるみをお土産に購入していた。夜は大阪市内ミナミへ立ち寄って串カツを食べ、ぶらっとした。
・23日(水)私は仕事のため不在。大阪城に行ってきたとのこと。夕食は家族と回転寿司
へ。ロンドンにも回転寿司はあるらしい。夕食後はカードゲームをして遊んだ。頭を使うが簡単なルールで、子供達も一緒に楽しめた。
・24日(木)私の出勤と共に早朝に出発。東京へと向かった。

《感想》
私の会話能力は以前に比べると多少進歩があったような気もするけれど、劇的に上手くなっているという手応えはなく、少々自分にがっかりしました。一応日々勉強を続けているのですが…
必要なやり取りなどは、取り敢えずほぼ困らずに対応できるのですが(きっともっとスマートな言い回しなどがあるのでしょうが…)、ちょっと込み入った話などはよくわからない時もあり、何度も繰り返してもらったり簡単に言い換えてもらったりしました。
二人とも面倒くさがらずに丁寧に私の間違った言い方を直してくれたり、新しい単語などを教えてくれました。
お客さんをよぶ度に、実践の中で、これぐらいの会話は全部解るようになりたい、もっと楽しく会話したい!と目標のレベルが明確に定まり、勉強のモチベーションも上がります。これからもこのやり方でエスペラントを身に付けていきたいと思います。

『Benと両親とで会食』
『Mattと金閣寺へ』