La Vento 384 (2017)

La Vento
N-ro 384    2017年 11月号
Suita Esperanto-societo

吹田エスペラント会会報  発行:矢野義男 吹田市山田東2-25-13
郵便振替 00970-0-319578   年会費 6000円  準会費 2400円
ホームページ http://suita.chu.jp


吹田エスペラント会のふれあい講演会終わる!!
11月3日(金・祝)1時45分~4時、千里市民センター多目的ルーム(8階)で吹田エスペラント会ふれあい講演会が開催された。参加者は23名。一般市民は10人で、あとはエスペランティストだった。吹田エス会からは、矢野(博)、松田、大畑、松井、矢吹の5名。司会は矢吹。
初めにエスペラントを知らない参加者のためにエスペラント語について簡単に説明し、エスペラントの響きになじんでもらうために“Esperanto estas la lingvo por ni”を皆で歌う。吹田市長の挨拶の後、開演。
第一部は桂福点さんのプロジェクターを使っての講演。演題は、「言葉の響きは心の響き~地球の言語で平和を」。
福点さんがなぜエスペラントに関わるようになったかについて話されていった。一番初めは、4歳ぐらいのとき、社会運動に興味を持っていたお父さんから「世界中の人と仲良くなれるエスペラントという言葉がある」と教えられたそうだ。一般校でいじめられた小学生の時は、仲良くなれる言葉があったらなあと思い、全盲になり文字を失う悲しさを味わい、英語がわからなくなった中学生の時は、エスペラントみたいなわかりやすい言語を教えてくれたらいいのにと思ったそうだ。その頃、宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」のアニメを知り、その中で、時々発音されるエスペラントの心地よい響きに感動したそうだ。その後、芸術の道に進むことに……。それから、2011年にラジオ番組で「花巻に宮沢賢治を訪ねる旅」が企画され、東北に行って、エスペラントが東北の土壌に合っていると感じたそうだ。
いつになるかわからないが、エスペラントを使って平和のメッセージをこめた落語を作って世界の人々に伝えられたらと考えているそうだ(本当に、福点さん、頑張ってください)。
また、エスペラントは障がい者にとっては学びやすい言語だと思うとも。
また、老齢化を嘆くエスペランティストにとっては、朗報を教えてくださった。
今、若者が、インターネット上でエスペラントを使って世界の人々とゲームをするようになってきているそうだ。エスペラントだとどこの国の人ともゲームができるので、習う若者が出てきたようだ。今後、エスペラントが若者の間ではやっていくのではないか、とも。

第2部はチェメトードによるエスペラント体験(講師は川村泰範さん)。福点さんも一緒に体験するので、動物の人形や図鑑のほかに、いろいろな動物の鳴き声を準備してくださった。90歳の女性が最前列で講師の問いに一生懸命答えようとし、帰り際に感想を聞くと「楽しかった」と言ってくれたので感動。福点さんは、講師の動きが見れないのですぐに反応できないしんどさがあった(そばで人形の形を伝えるため別室で)。チェメトードの今後の課
題かも……。参加してくださったエスペランティストの皆さん、ありがとうございました。
(矢吹)

矢野さんの椿油による地方創生事業の御提言の10月号に載せた続きです。
<7>椿の歴史のお話について
椿油は遣唐使の時代に日本から中国に送る貴重な貢物であったと古書に書かれていることから、大昔からその効用は認められております。また、徳川家康から家光まで3代にわたって椿の愛好家であり、特に2代将軍秀忠は全国から銘椿を献上させ、江戸城に植えたと伝えられ、事実江戸城庭園絵巻に書かれて今日まで残っております。(略)
このように日本の椿は古代から日本人の心の古里として、こよなく愛され続けてきたのでした。(略)
やがてフランスの小説家デュマ・フェスは椿姫という小説をかきました。娼婦マルグリットと青年アルマンとの悲恋の物語ですが、女主人公のマルグリットが毎日寝室に椿の花を飾って、恋に悩んだ心を椿の花が癒してくれたというこの小説はやがてオペラになりヨーロッパ中に広がっていったのでした。椿の園芸品種の作出が盛んになり、アメリカ、オーストラリア、ニュージランドへと世界中に広まり、洋種椿として日本に輸入されるようになりました。約6000品種の椿が登録され、バラ、アザレアと共に、世界3大花木の一つになっています。(略)
また、長年の夢だった黄色の椿が中国で発見されてから、黄色の園芸品種の育種が可能となり、世界中の椿愛好家が大輪の黄花椿の作出の競争が始まったのですが、何とこの徳島ツバキ協会の小野信明氏によって世界で初めて黄色の大輪の作出を成功させたのでした。まさに奇跡であり、徳島ツバキ協会の快挙と言っても過言ではないと思います。
また、徳島ツバキ協会は円藤知事の時代に中国の雲南省との交流が始まり、現在は下火になっていますが、国際交流もかなり盛んにされていた時代がありました。
<8>地域創生に関する氏神様のお働きについて
昔から各地域には必ず守り神として氏神神社があります。毎年、村の祭りには神主さまに神主が祝詞を奏上されています。日本全国この祝詞は同じ文言だと思うのですが、内容を吟味してみますと、非常に大切な事が書かれています。天津罪、国津罪、ここたくの罪を払えたまえ、清めたまえと奏上しています。天津罪とは神が人類に与えた太陽光、風のエネルギー、海流のエネルギー、地熱エネルギー等これらのエネルギーを人類のために開発しない罪であり、一方無駄に使うことの罪を言い、国津罪とは植物、動物、鉱物等の持っている特質を人類に活用しない罪です。薬学に携わっている全ての研究者は動植物の持っている特性を利用して薬剤を開発しますし、化学を専攻している研究者は例えば触媒として鉱物の研究をしていますし、身近な例としてLEDの技術も鉱物の特性を利用した成果だといえるでしょう。このように、私たちは直接及び間接に神から与えられたエネルギーや物質の特性の中に隠されたものを見つけ出し、これを応用することによって、これら天津罪、国津罪から逃れようと日々努力しています。

氏神様は姿・形のない存在であるが、絶えず、村人が自分を大切に思って、立派な神殿に住まわせて欲しいと思っておられます。そのため誰かこの人はと思われる人を通じて自分の意思を言い、地方を活性化させ、繁栄してもらおうと考えます。このように私達地域の発展と氏神さまの思いは共通するものがあります。氏神さまのお役目はただ単に村に住んでいる各家庭の平和と安全を守るだけでなく、各家庭の経済的な繁栄をも司っていると思っています。中村修二教授が日亜化学で研究されていた当時のことを半生記の形で執筆されていますが、実験が佳境に入ったときのことを、実験室に後光が射したと書いておられます。河野メリクロンの社長の話によれば、ある品種の蘭が私を交配用の親株にしなさいと言った言葉を聞いたと言っておられます。いろどりの横石社長は講演の中で、若い女性がつわものに興味を抱き、ビジネスのヒントを得たと言っておられます。氏神さまがそうさせたとしか言いようがないと思っています。そのおかげで全国で有名な企業になったのですから、氏神さまの存在が如何に大きいか理解できます。このように、神の領域に入った人のみが、偉大な業績を表すのですが、決して人間が見つけたのではなく、神に教えてもらったと解釈する方が妥当だと思うのです。
<9> 椿油の製造工程について
徳島県ツバキ協会は現在五島列島の今村製油所に委託して搾油をお願いしております。今村製油所の搾油工程は以下のとおりです。
椿の実の採取 →乾燥 → 粉砕 → 蒸作業 → 圧搾 → 濾過 → 包装

(それぞれの過程についてのていねいな説明が続きますが、略します)
この後、<10>椿油の化粧品としての価値について <11>椿油の食材としての価値について
<12>椿のプランテーション構想 と続きますが、(略)
<13>椿の実のなる木の植栽計画の現状について
平成28年2月28日に神戸椿協会主催の椿旅行で、徳島からは矢野と常松氏が久留米椿園視察団に参加いたしました。その時、久留米椿協会の代表者の案内で椿苗の生産実情をつぶさに見学いたしまして、椿の実のなる品種の紹介を受け、常松氏が半分押し売りの感がありましたが、780本4年ものを購入し、矢野の自宅で植え替えをし、管理をしてまいりました。
その後、地密に椿の苗の植栽計画を説明をし、植栽に賛同され、将来椿油を搾油してみようとと思われる方が数名現れ、現在に至っています。その内訳は以下のとおり。
佐那河内地区;臣永氏 60本
松山氏130本
同友人 30本
鳴門大麻地区;坂東氏 50本
田中氏 30本
吉野川地区 :岩瀬氏100本(予約)
合計;植付済み及び予約済総本数は400本となる。
従がって残り300本+α が矢野の自宅に管理中です。
次にお話しますが、私は椿の実が大きく、種子も大きい品種を探しています。野に自生している椿で種子の大きい実を蒔き、実生苗として育てています。種子を播いてその木に花が咲き、最低でも実をつけるまで5~6年必要です。気の長い取り組みですが普通はその種子からできた苗は先祖帰りと言って、原種に戻るのが常ですが、たまに突然変異するものが現れます。それを狙って取り組んでいます。毎年大きな実を100個集めて、どうなるか今後の成果が楽しみです。
このような取り組みの中で1個だけ希望が見えてきました、大阪で買い求めたりんご椿の実に大きな種子が現れたのです。この種子を播いてやっと今年1個だけ実をつけました。普通一般的にはりんご椿は実は大きいのですが、種子は小さいのです。これでは椿油採取用の品種にはなりません。私の手元にある品種は実も種子も大きいことから、椿油用の品種に向いているのではないかと考えています。もし、この実の種子が大きいのなら、この種子で実生苗を沢山つくれば、沢山繁殖させることができます。このように少しずつですが ,成果が表れ始めてきました。
<14>事業計画構想について(案の一例)
まず事業の主体主は月が谷温泉を統括されている事業体とする(仮称:月が谷温泉事業部)。ここに椿
事業部を加える。一般的に棚田のオーナー制度とよく似た制度を作る。個人がオーナーになり、椿1本から
の植栽、実の収穫を自由にできる権利を有するものとする。一人一口以上で上限何本まで、何口と決める。
また個人会員及び法人会員を募集する。一口1000円とし、椿苗の原価@700は利益がでるまでの間、
無配当で事業部に預け、維持管理、初期投資に充当するのが良いと思うが、地域創生事業として補助金が頂
ける場合には、個人に苗木代を還元するものとする。初期投資は合計約100万円を目標として必要経費
を集めるものとする。なお、最悪、苗木を提供した本人には利益がでた時点で、個人に配当するものとす
る。また、投資した個人及び法人は椿の実を毎年採取して頂くことを義務付けし、種子は月が谷温泉事業
部に持ち込み、事業部より椿の実1kgに対し、100ccの油と交換できるものとする。オーナー制度は
有効期限を予め決めておき、期限がくれば、かもだ温泉事業部が自動的に維持管理、椿油の生産ができるも
のとする。あるいは一定の条件をつけて期限を更新するものとする。このような制度は今後弁護士を交え
て具体的に検討していく必要があります。
なお、当初は椿の搾油工場は設立できないため、五島列島まで委託生産をし、一定量の椿の実が確保でき
た時点で、搾油工場を設立するものとする。
<15>事業の収益性と今後の課題等について
成木の椿から約椿の実が1kg得られ、これを搾油すると250ccの油が得られる。1反当りを基準に考えると、約100本植栽可能なことから、椿の実は100kg採れる。これをそのまま販売すると市場価格では@700程度らしいので収益は7万円となり、大きな利益は見込まれない。この実100kg搾油すると25Lの椿油が得られる。搾油代は@1とすると2万5千円かかる。バルクの市場価格は@5000程度であるから、12万5千円となる。搾油代を差し引くと、10万円の利益となる。一方この25Lの油を100ccの瓶詰めをして販売したと仮定すると、250本*1500=37万5千円となる。瓶代、ラベル代等諸経費を引いて、利益は@1000となり25万円の利益となる。
このように椿油に関する事業は如何に最終製品に付加価値をつけるかによって利益率が変わってくる。ここに人間の知恵を働かし、開発商品の研究が必要になってくる。ここに専門家を交えて今後の事業計画を策定することが重要である。幸い、いろどりで培った販売ルートや商品開発のノウハウや技術は蓄積されているので、今後の上勝地区における椿油事業は有望であると期待するものです。 以上

★桂福点さんの講演の様子

★チェメトードによるエスペラント体験の様子