La Vento 395

N-ro 395    2019年 1月号
La VentoSuita Esperanto-societo

吹田エスペラント会会報   発行:矢野義男 吹田市山田東2-25-13
郵便振替 00970-0-319578   年会費 6000円  準会費 2400円
ホームページ http://suita.chu.jp

新年がいつものように静かに始まった。平成の年号もあと少し。平成の日本は何とか平穏に平和を守っていけそうだ。

1月12日に、哲学者の梅原猛さん(93歳)と女優の市原悦子さん(82歳)の死が報じられた。梅原猛の「隠された十字架」と「水底の歌――柿本人麿論」を私は若い頃に買って読み、本当だろうか?こんな考え方もあるのかと驚いた記憶がある。その後、梅原さんは劇作家として活躍し、スーパー歌舞伎「ヤマトタケル」、スーパー狂言「王様と恐竜」、スーパー能「世阿弥」などを創作したそうだ。1990年に「臨時脳死及び臓器移植調査会」委員になられ、脳死を人の死とすることに反対する活動をされたり、2004年には「九条の会」の呼びかけ人にもなられたそうだ。

梅原猛さんの語録(朝日新聞1月14日より)
「21世紀にはこの科学技術の振興に対する厳しい批判が起こるに違いない。脳死を人の死とする今回の衆院の決定は、科学技術万能思想に対する人類の英知の闘いの外堀を埋めることになると思う。(1997年)
「憲法9条はノーベル賞に値する。そこには人類の理想が含まれている」(2015年)
「私には何かが乗り移る才能がある。聖徳太子や(柿本)人麻呂、親鸞らが乗り移って本を書かせてくれた」(2015年)
市原悦子さんの「家政婦は見た」と独特の語り口の「日本昔ばなし」は、懐かしい郷愁を聴く人に思い起こさせるようで大好きだった。
お二人の死が一緒に報道されたので、感銘を受けた。   (矢吹)

お知らせ

・ 暖かくなったら、吹田エスペラント会の総会をします。

松田洋子さんが12月の北摂ザメンホフ祭で紹介された絵本について書いてくださったので掲載します。

小説家になるのが夢のSongxanta初めての絵本を出版
「Esperanto en Kamparo 」
松田洋子

2012年の秋の文化祭で「もう一つの生き方へ」と題して講演してくれた韓国の申一家を
覚えておられる方も多いと思う。夫のDalminiは元報道写真家、奥さんのSongxanta はフリースクールでエスペラントを教える教師。息子のLeo君もフリースクール生。
一斉に社会の階段を登る競争社会に疑問を感じて田舎の生活を選び、移住。田舎での
暮らしがどんなものかつぶさに語ってくれた。聞いていた人たちは、田舎で暮らす意味は分かるけど、生活が成り立つの?と感じたことだろう。

移住からほぼ10年、Dalminiはさらに農家としての技術を高め、今ではたくさんのブルーベリーや薬草、柿なども栽培しているとのこと。煙突掃除もしたりするみたいだけど、裕福でなくても生活は成り立つみたい。面白いのは、Songxantaはあまり農作業を手伝わないらしい。
Kolegio de Instruistoj por Vivoでエスペラントを教えながら(フランスのMichel や石川県のKarotinoもskypeで応援するそう)フレネ教育の集まりなどで、頻繁にヨーロッパを訪問、今回はフランスで市民向けの絵の講座を連続して受けて、また村の援助も受けて念願の初めての絵本出版となった。村の生活と学生たちを連れての旅で出会った人たちがなんともほのぼのするタッチで描かれ、短いエスペラント文で説明がつけられている。既に2冊目の計画もあるようで、これからがたのしみ。

彼女の生徒の一人に日韓共同開催エスペラント大会のバンケードで向かいの席に座り、自己紹介の時に一年前にエスペラントを始めたというのに、あまりきれいに話すので、先生は誰?と聞いたのが、そもそもSongxantaの本の出版を知ったきっかけ。記念写真を撮って、あなたの生徒に会ったよ、とメールしたら喜んで返事をくれて、ちょうどその時出版されたばかりの本を送ってくれた。

さらに興味のある方はぜひsongxantaのブログを読んでほしい。
Songhanta Vivoで検索するとすぐにみつかります。

佐藤さんは、社会批判もできるからと昨年の12月から川柳に興味をもたれ、作句を始められました。俳句よりも自由に表現ができると張り切っていらっしゃいます。
その川柳を掲載させていただきます。

また、川柳を読まれた感想をお寄せいただくと幸いです。一緒に川柳をやってみませんか?

※JPEA機関紙掲載分

2018.12.10
※・Historiece/ mistifikoj abundas/ ĉe nuda reĝo
※・Al oriento/ ridaĉe okcidenten / diplomatias
2018.12.12
・Mu-Mu akiris/ la nobelpacpremion/ bon-memoreble

2018.12.15
※・Bolas Bel-maro,/ forĵetata teraĉon/ de la ograĉo
※・Altigi takson/ vaporigos pro Henoko/ 2 miliardojn
2018.12.18
※・Hitaĉi evitas/ atomcentralon saĝe/ ol Tooŝiba

2018.12.19
・Pasis la jaro/ momente kiel sago, / ĉiuj konsentas
2018.12.20
・Nevole pensis/ nun tute ne troviĝas / pliaĝ-amikoj.

2018.12.24
・Voĉlego servas/ por sano onidire,/ kaj tiel faru
・Senrjuo-semo/ similas al la stelo/ sur la terglobo

2019.01.02
・Brilas La Luno,/ tuj apude Venuson/akompanante

2019.01.03
・Venus-ĵetisto/, Luno-kaptisto kaptus/ la tero-pilkon

2019.01.16
・Sekretario/ de la demenculino,/ jen profesio
・Abdikas Kise,/ neniam okazus ĝi/ en E-sumoo

2019.01.18
・Tie poento,/ ĉi tie poento ja,/ ree ruktumas

第2回初等講習会のお知らせ
日時: 2019年2月2日(土)午後1時30分~3時30分

場所: 千里山コミュニティセンター 和室

内容: 2時間で学べる入門講座

講師: 吹田エスペラント会 佐藤守男

どなたでも 世界共通語エスペラント語に興味のある方はぜひおいでください。