La Vento 377

La Vento
N-ro 377    2017年 1・2月号
Suita Esperanto-societo
吹田エスペラント会会報  発行:矢野義男 吹田市山田東2-25-13
郵便振替 00970-0-319578   年会費 6000円  準会費 2400円
ホームページ http://suita.chu.jp


Felicxan Novjaron!
あっという間に新しい年になり、立春が過ぎてしまいました。日差しには春が感じられますが、まだまだ寒いですね。

1月27日の朝日新聞の天声人語にユネスコの無形文化遺産登録をめざす俳句のことが書かれていました。

「二十数年前、米国で作家志望の若者に俳句の決まりごとを細かく尋ねられ、季語や切れ字の説明に難渋した。『米国に自称詩人は多いけど俳人には会ったことがないから』。日本のアニメや映画に比べると、浸透度はいかにも低かった。内外の愛好家をつなぐ国際俳句交流協会によると、近年は状況がかわりつつある。自国語で俳句を詠む人が増えた。一説に50か国200万人。最も有名なのはファン・ロンパイ元ベルギー首相だろう。<雲流れ/満月と暗い空/明と暗> 国内の主な俳句4団体がユネスコの無形文化遺産登録をめざして名乗りを上げた。きのうの会見では、発起人の有馬朗人元文相が『俳句は自然と共生する文学。世界に広がることで平和につながる』と訴えた。むろんハードルは低くない。他言語に翻訳されて俳味が伝わるのか。音韻や語調の妙が消えないか。季節感は土地により異ならないか。短歌や川柳は置き去りにされるのか・・・。それでも、一瞬をきりとる各国の短詩文芸がHAIKUという語で呼ばれるようになれば御の字ではないか。時代や人により様々な解釈を許す懐の広さが俳句の持ち味だろう。無季でも、自由律でも、 単なる3行詩でも、俳句の友として受け入れたい。事務局は三重県伊賀市が担う。芭蕉の出身地だ。旅立ちを鼓舞する一句が市庁舎にはためく。<いざさらば雪見にころぶ所迄>。さあそれでは雪見に参ろうか。転べば転んだときのこと。臆せず歩もう。俳聖の里の心意気である。」
*俳句4団体は国際俳句交流協会(有馬朗人会長)、俳人協会(鷹羽狩行会長)、現代俳句
協会(宮坂静生会長)、日本伝統俳句協会(稲畑汀子会長)。
ファン・ロンパイ氏は、句集を2冊も出版されていて、一番好きな俳人は芭蕉だそうだ。
また、キャロライン・ケネディ前駐日アメリカ大使が日本に赴任される前の慌ただしさ
を表すのに、芭蕉の『奥の細道』冒頭の「道祖神のまねきにあいて取るもの手につかず」
という紀行文を引用されたそうだ。本当に世界に俳句が広がっている。(矢吹)
2016年度活動報告

1. 入門講習会
2016年度は開催せず。

2. 例会
Skypeを使ってほとんど毎週水曜日8時から9時に、佐藤、松田、矢野明徳、松井、大畑、矢吹の6人で学習している。情報交換をしたり、会員のレポート(矢野さんのものが多い)や、 お互いの日記を使って、朗読したり添削し合っての学習。夏からは、文化祭講演者の著書を読み、感想文をエスペラント訳にして発表。

3. 行事
吹田市文化団体協議会60周年記念事業に展示部門と入門講習会で参加。
5月29日(日)、展示部門は吹田メイシアター1階集会室で11時半から16時
半まで開催。パネル3枚にリールの世界大会で佐藤さんが集めた世界のエスペランティストによる平和へのメッセージを展示。入門講習会は17時~18時半、吹田メイシアターレセプションホールで、エスペラント直接教授法有資格者の川村泰範氏による「誰でもわかるエスペラント入門講座」を開催。バンコクの田中一喜さんの協力を得て、スカイプで会場とタイを結んで行われた。講師の川村泰範氏の息子さんと娘さん、佐野マキさん、松田さんの娘さんが生徒でチェメトードによる授業の実際をバンコクの方々が見学。その後、バンコクの田中さんの生徒さん3人に会場から質問して自由に交流。

吹田市民文化祭参加
11月3日(木・祝)午後1時~4時、メイシアター小ホールでエスペラントふれあい講演会があり、過去最高の117名の参加者があった。講師の岸見一郎氏は『嫌われる勇気』が141万部を超えるベストセラーとなり、NHKや民放にもテレビ出演されるなどで知名度が高いため、初めて参加者を事前申込制にした。吹田エス会からは、佐藤、矢野博幸、矢野明徳、松井、大畑、松田、矢吹の7名。受付は大畑、松田、松田さんの娘さん。司会は矢吹、カメラは松田。
副会長挨拶の後、恒例のHelikoと吹田第6中学校PTAコーラス同好会共演で、エスペラント、日本語、手話コーラスの歌。次に、岸見一郎氏の講演が始まった。
テーマは「人と人がむすびつくこと」。穏やかに語りかけるように話された。
人間の悩みは対人関係から生まれる。対人関係をうまくやっていくには、自分に価値があると思い、自分が好きになることが大切。そのための方法は、3つ。自分の短所・欠点を長所ととらえること。自分が他者に貢献していると思えるようになること。他者を仲間と思えるような共同体感覚をもつこと。一言一言が心に沁みるようだった。休憩後は質疑応答を1時間。生き方について考えさせられるアドバイスをたくさんいただいた。

★ 北摂ザメンホフ祭
12月11日(日)午後1時半から5時、池田市中央公民館2階会議室Aで北摂ザ
メンホフ祭が開催された。参加者16名。吹田エス会の参加者は、大畑、佐藤、松
田、矢野博幸の4名。
プログラムは、豊中エス会の出し物(山野さん作成の関西大会・日本大会・世界
大会の動画、佐野さん指導の「お猿のかごや」、的場さんの漢詩のエスペラント訳、
エスペラント訳「マチカネくん体操」の紹介、三澤さんの歯周病予防のための口の
体操)の後、小休憩。次に吹田ロンドの出し物(佐藤さんは堀泰雄著“Pacmesagxoj
Tra la mondo”の紹介、大畑さんは岸見一郎氏の著書の感想、松田さんは吹田の文
化祭に岸見氏を呼ぶことができたいきさつについて、佐藤さんは講演会の参加者と
質疑応答・本の感想)の後、佐野さんから「節英のすすめ」の本紹介があった。休
憩の後、恒例の池田エス会島谷さん、岩田さんによる狂言、「仏師Statu-Metiisto」。
5時半から池田駅前で忘年会。佐藤、松田、矢野が参加。

4. 大会などの参加者
★ 第64回関西大会:6月18日(土)~19日(日)に堺エスペラント会と富田林エスペラント会の主催で、堺市の「ビッグ・アイ」で第64回関西エスペラント大会が開催され、吹田エス会からは佐藤、松田、大畑、近藤、矢吹の5名が参加。大畑は両日とも図書販売担当。二日目の午後の劇団息吹の朗読劇「戦時下反戦放送・エスペランティスト長谷川テルの生涯と遺児暁子」に感動。その後、向後千春氏の公開講演があった。演題は「ザメンホフの国際語思想とアドラーの共同体感覚」。

★ 第101回エスペラント世界大会
7月23~7月30日にスロバキアのニトラで開催されたが、吹田エス会からの参加者はなし。

★ 第48回林間学校:9月10日(土)~11日(日)に京都エスペラント会館で開
催された。吹田エス会からの参加者は松田、大畑、矢吹の3名。二人で松田さん
の「朗読講座」に参加。自分の声を録音して聞くことが朗読の上達法と教えてい
ただく。

★ 103回日本エスペラント大会:10月8日(土)~10日(月・祝)滋賀県近江
八幡市のヴォーリス学園で開催。佐藤、松田、矢野明徳、近藤、矢吹の5名が参加。

5.外国からのお客さん

6.その他の活動

7.会員数(1月現在会員15名、準会員1名)

8.機関紙“La Vento”をおおむね毎月発行。

9.役員
会長:矢野義男。副会長:佐藤守男、会計監査:佐藤守男
委員:大畑賀代子(会計、KLEG委員)、松田洋子(事務局)、
矢吹あさゑ(機関紙・KLEG委員)

10.会費
年間6000円(正会員)、2400円(準会員)

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ワン・ワールド・フェスティバルに参加して
矢吹あさゑ
2017年2月4日(土)~5日(日)に、扇町公園横の北区民センターで開催された第
23回ワン・ワールド・フェスティバルに出展したKLEGのエスペラントのブースを
10時半過ぎに訪ねた。相川さんや藤井さん、染川さんたちががんばってエスペラントの
紹介をされていた。染川さんお手製の3.3センチ×10センチのかわいらしい栞と「やさ
しいことばエスペラント」のパンフレットを近所の知り合いに配ろうと思い10枚ずつ
もらってきた。11時からメビック扇町交流スペース2で開催される木元さんの講演を
聴きに行く。演題は「ワクワクする国際語エスペラントの世界」。聴衆で会場いっぱいに
なっていた。半分ほどがエスペランティストのようだった。過去の世界大会の写真を見
せたり、源氏物語のエスペラント訳を朗読したり、歌を紹介するなどわかりやすい内容
だった。
このワン・ワールド・フェスティバルは、エスペラント語をより多くの人に知ってもらういい機会になっていると思う。