La Vento 440

N-ro 440    2022年 11月号
La VentoSuita Esperanto-societo

吹田エスペラント会会報   発行:矢野義男 吹田市山田東2-25-13
郵便振替 00970-0-319578   年会費 6000円  準会費 2400円
ホームページ http://suita.chu.jp

★ 吹田市民文化祭参加「エスペラントふれあい講演会終わる」

 2022113日(木・祝)午後1時から3時半、吹田市文化会館小ホールでエスペラントふれあい講演会が開催された。参加者は17名。吹田エスペラント会からは、佐藤、松田、松井、矢野博幸、大畑、矢吹が参加。開演前に後藤市長が来られ、「今日のような大変な国際状況の今こそ、世界共通語であるエスペラントの出番である。お互いの立場を理解し合い、文化を尊重し、地球環境を守ることについても協力していけるのではないか」ということを伝えてほしいと言われた。

 吹田エスペラント会副会長の佐藤守男の挨拶の後、講演が開始された。司会は矢吹。

 藤田美保さんは、小学校3年生の時、表紙のいわさきちひろの絵に惹かれ、黒柳徹子の『窓ぎわのトットちゃん』を読み、トモエ学園のような学校で自由な教育を受けたいと思った。小学校教師になり上から与えられたものをただただ教える日々に疑問を持ち、教師をやめ本当の教育について更に考えるために大学院へ入った。その時、学校をつくる活動に参加された。市民の手で自由に学校がつくられている外国の学校を視察し、日本にも自分たちのめざす学校を仲間とつくった。それが「箕面こどもの森学園」。市民の手でつくる学校――日本では文科省から認められていないが、ユネスコから認められているオルタナティブスクール。イメージとしては私立学校のようなもの。公立学校へ行けない子どもたちの居場所となっているフリースクールではない。

 エスペラント語との共通点は「立ち止まって本当にそうなのかを考える」こと。ザメンホフもよくよく考えて必要と思いエスペラント語を作った。美保さんたちも、自分たちがこうありたいと思う学校、子ども一人一人の個性を尊重し、民主的に生きる市民を育む学校をつくろうと思いつくった。

 学校の学習の主な特徴は、①三つの異学年混合クラス(低学年、高学年、中学生)②子ども自身が学習計画を立てる。③学習方式に基礎・テーマ・選択のほかにプロジェクトがある。プロジェクトでは、子どもがやりたいと思うこと(手芸、工作、木工、クッキング、研究など)について自分で計画を立て、準備し、実行する。

 次に、具体的な活動について話された。体育祭や夏祭りなどの学校行事は子どもたちが計画し、運営している。大人は補助という形の参加。修学旅行は46年生で行くが、行く場所も、日程も、ホテルの予約も子どもたちがやり、更に費用も自分たちで稼ぐ。中学生は海外へ研修旅行に行く。これも自分たちで計画して実施している。学校は社会の縮図という考えなので、大人社会でやるようなことを子どものうちから体験していくようなしくみになっている。

テーマ学習では社会課題について(差別、消費のこと、フードロスなど)学んでいく。本物に触れることを大切にしている。

全体集会では学校のルールや行事を話し合うが、多数決で決めない。これは、市民社会形成にとって大事。行事について、最近ではマスクをどうするか、鶏を飼うかどうかなどが話し合われた。多数意見(青)や少数意見(ピンク)ではなく(紫)をみつけていく。この案に反対の人の意見を聞き、一つずつ懸念するところを話し合って、だれも反対しない案(紫)を探していく。子どもたちはこの学校の好きなところはプロジェクトがあることと多数決をしないことだと言う。卒業生も多数決をせずに物事を決めていった経験が自分にとって大きかったと言っている。

スタッフの関わり方は教える人というよりコーディネーターのようなもの。子どもと大人は対等という立場。

<実際の学校の様子を映像で見る>

 あなたはどう思うかをよく聞いている。自分を大切にえた。英語は支配言語だから英語ではない方していることがわかる。子どもと共に大人も成長していくようだ。

民主的で持続可能な社会をつくり、そこに住みたいから学校はこんな形にしたいと思って学校をつくったが、学校で大事だとわかったことを今度は学校外に向けて発信することをやるようになった。それで法人名を変えた。英語は支配言語だから英語ではない方していることがわかる。子どもと共に大人も成長していくようだ。

がいい。「共につくるがいい。「共につくるをエスペラント語で何というかと義父の佐藤守男さんに聞くと「クーネ クレーイと教えてくれたが、語呂が悪いので「クーネのところを英語の「コ」に変えて「コクレオ」にした。学校以外には「子育ての森」「おとなの森」「ミライの森」の活動に取り組んでいる。

<休憩後の質疑応答・感想(5人)>

  1. 公立学校で中2を担当している。「コクレオの森」では中3でどんな進路を取るのか。

(答え)内申がないので内申のいらない進学を取る。外側の尺度に合わせるのでなく、子どもの内なる声に従うようにしている。いわゆる進学校へは行けないが、競争率の低い高校や、私立校、通信制高校、海外の学校などへ進学している。

2. 公立校よりも学費がかかるが、所得の低い家庭への学費援助はあるのか。

(答え)寄付者に頼っている。コロナの時の給付金を寄付していただりもした。

  1. 公立学校で生かせるようなことはないか。

(答え)なかなか難しいが、「ミライの森」の中の「サスまな」に参加した公立中学校の英語教師が個別最適化の学びで個別進度を実践し先生たちの研究会で発表されたことがある。

  1. がまんをさせることがあるのか。

(答え)がまんは人権侵害だと思うので、がまんをさせることはない。自分と向き合うことを大切にしている。自分の心の声を心の耳で一生懸命に聞いていくことによって、表面上の自分の興味関心を超えた、自分がつながる世界を探求している。

  1. 時間割は小学校は国語と算数が主で、中学校は英語が中心に思えるが、その意図は?

(答え)社会と理科はないがテーマ学習の中で総合的に学ぶ。中学は数学と英語が主。学びは自分自身が作っていけると思っているので、読み書きそろばんができればあとはいろんな体験、経験があればいいのではないか。今、高校が多様になっているので、それぞれが自分に合った知識を身につければ、進路に困らない。

  1. 不登校を経験した娘の子ども――孫も不登校になっているが、自然体で暮らしている。

こんな学校が近所にあったらいいのにと思う。

(答え)「夢見る小学校というドキュメンタリー映画を制作しているオオタヴィン監督の 言葉を紹介。「不登校はその子自身の機能不全ではなく、学校システムの機能不全を不登校の子が示している」。不登校の問題は個人ではなく社会の問題として考え、社会を変えていかなくてはならない。

  1. 20年前まで小学校の教師をしていた。一斉授業で評価に重点を置くひどい教育をしていたと反省。……今はもっとひどい教育現場となっている。「こどもの森の子どもたちは、自分のことがよくわかり友だちのこともわかり合ってしなやかに成長していくと思う。うらやましく思う。こういう学校がいっぱいできていったらいいなと思った。

(答え)現場の先生をされてこられた方にそのように受け止めていただき、心強い。

プロジェクターの鮮明な画面と動画を使い、とても分かりやすく「コクレオの森」の取り組みについて話していただいた。『子どもは自ら学ぶ意欲をもち、自らの力で学ぶことができる』という教育観に立ち、子どもたちの自立的な学びを支援するというオルタナティブスクールの実際の姿を知ることができた。本当にこんな学校が現実にあり、運営されていて、更に地域社会に、世界へと活動を広げていこうとされているのだということを知り、感動した。こんな学校が増えて、すべての子どもたちが生き生きと個性豊かに暮らしていける社会の必要性を強く感じた。                        (矢吹)

   

  • 例会学習より

<簡明日エス辞典を使って>

自分が知らなかった単語を2~3選び、短文を作る。

  1. Binoklo(p.115) 双眼鏡、ekvivalento (p.116)相当物、improvizajxe(P.117)即興的に

Binoklo estas insturumento por vidi malprokimen lokon pli proksimen. Tiele

ni havu imagpovon por vidi veron ekvivalentan realon.Ni ne povas akiri la

Imagpovon fizike improvizajxe aux reflekte. Por tio ni sencxese studu kaj

studu.

(2) eburo(p.115) 象牙

Antauxe eburo furoris kaj estis importita el Afriko. Sed nun eksporto kaj importo estas malpermesita por animala protekto.

<ことわざの説明・作文>

(1)鰯の頭も信心から

   Tuj kia vi kredas ion, ecx se gxi estus la kapo de sardino, vi komencas

adori gxin.

(2)氏より育ち

   Cxirkauxajxo kaj eduko estas pli grava ol origino.

(3)嘘も方便

Lauxokaze homo mensogas por glate antauxenigi la aferon.

(4)生みの親より育ての親 

    ・ Mi estis naskita en malricxa familiano,tamen dank al mia avino mi estis

bone zorgita.Mi rememoris,ke ofte mia avino eliris al hospitalo portante

min sur sia dorso.  

 ・ La favoro de adoptopatrino estas pli peza ol la favoro de naskopatrino.

(5)人間(人生)わずか50

    Antaux kelkcent- jaroj homa vivdauxro estis cxirkaux 50 jaroj,tamen

lastatempe japanaj viroj vivas 81 jarajxo kaj virino 87 jarajxo kaj

estonte post kelkcento jaroj homa vivdauxro atingos cxe la 200 jarajxo.     

(6)鵜の真似をする烏、水に溺れる

   La korvo, kiu konvenas al kormorano, fine dronas. Se vi ne scias realan

kapablon kaj konvenas al la talenta homo, vi malsukcesas.

 ★★ 北摂ザメンホフ祭は、1218日(日)13時から 池田市立中央公民館で開催です。

できるだけ参加しましょう。