La Vento 389

La Vento
N-ro 389    2018年 5・6月号
Suita Esperanto-societo

吹田エスペラント会会報  発行:矢野義男 吹田市山田東2-25-13
郵便振替 00970-0-319578   年会費 6000円  準会費 2400円
ホームページ http://suita.chu.jp

★  小西岳さんを偲ぶ会のこと
2018年4月30日(月)午後1時半から5時まで、豊中市立中央公民館で奥様と息子さんをお迎えして「小西岳さんを偲ぶ会」が開かれた。九州、鳥取、東京、埼玉などの遠方から駆けつけてくださった方もあり、40数名が集まった。
松田洋子さんの司会で進行された。黙祷、田熊さんの挨拶のあと、山野さん作成の「映像で偲ぶ小西岳さん」が上映され、若き日の岳さんと一緒に写っている方に「わあ、……さんだ」と懐かしむ声があちこちで漏れた。次に田熊さんから岳さんの業績の数々が紹介され、岳さんの稀有の才能の豊かさに改めて感嘆させられた。続いて、追悼の言葉(その1)が江川治邦さん、的場朋子さん、浅田和子さん、染川隆俊さん、田平正子さん、磯貝尚武さんから語られた。次に、野田淳子さんが小西岳さん訳詞の「千羽鶴」と「死んだ男の残したものは」を歌ってくださった。私は、「死んだ男の……
の歌はHelikoでも歌ったことがあったので、その時指導された岳さんの姿がダブって心に沁みた。休憩の後、Kanto-grupo “Heliko”と一緒に小西さん訳詞、作詞作曲の歌を5曲歌った。岳さんがタクトを振られていた時は全部2部か3部合唱だったのに、今は、ほとんど斉唱状態で申し訳ないと思いつつ、でも、会場全員で心を込めて歌えてよかった。

展示会のお知らせ
「あなたの賢治を探しに来てください」という展示会が
6月21日から26日まで
ギャラリー4匹の猫(梅田茶屋町)で開催されます。
6月24日午後1時~はKLEGの染川さんが講演されます。
詳しくはLa Movado 7月号参照。

第66回関西エスペラント大会終わる!
吹田エス会主催の第66回関西エスペラント大会が5月26日(土)~27日(日)に吹田市立千里山コミュニティセンターで開催された。参加者は145、実参加129、不在参加46人だった。吹田エス会の参加者は、佐藤、松田、大畑、矢野明徳、矢野博幸、松川、近藤、松井、矢吹、矢野義男(不在参加)。吹田の会員だけではとても大会開催に向けての準備や運営ができないのでKLEG役員の方々にも多大な協力をしていただき、なんとか大会を無事に終わることができた。
26日の午前中は、大会前遠足(アサヒビール吹田工場見学)、エスペラント学力検定試験が実施され、午後は、「日本の椿」、「エスペラント入門講座」、「かんさいアムリラート座談会」の三つの分科会とUnikaさんのエスペラント講演が行われた。その後、ホールで吹田市立第六中学校PTAコーラス同好会の合唱(「小さな四季」、「見上げてごらん夜の星を」、手話付きで「ビリーブ」、エスペラント語で “Rugxlibelo”, “Vizagxon supuren”)が披露された。エスペラント語の歌には、Helikoの浅田さん、藤井さん、松田さん、飛び入りで森さん、馬場さんの応援もいただいた。2時50分から開会式が始まった。司会は、松川と矢吹。二人とも初めての司会で戸惑うこともあったが、何とか時間通りに進められてほっとした。両親が岡山のエスペランティスト(原田さん)の松川は、エスペラントを始めて数か月とは思えないくらい堂々としていたと思う。
4時からGaja Vespero。小西岳さんを偲んでHeliko の「みんなで歌いましょう」が浅田さんの案内で進められ、岳さん訳詞、作詞作曲の歌5曲、 “Heliko” “Antaux du jaroj”
“Vizagxon supren”  “Mil Ventoj”  “Sed Sxvelos nia esper’” を会場の参加者と一緒に歌った。岳さんのエスペラント訳はスムーズで旋律に調和していて本当に歌いやすい。
懇親会は千里山駅近くの音羽鮨千里山店で開催された。田中一喜さんの司会でスムーズに進行され、親睦がはかられた。
27日の午前中は「外国人と話す会」「作文教室」「エスペラントで歌う」「Z没後101年クイズ」など7つの分科会が開かれ、記念撮影の後、午後は、広瀬浩二郎さんと藤原敬介さんの公開講演と並行して5つの分科会(「かわむらブース展示」「エスペラントとアムリラートを考える」「囲碁」「komuna2018を盛り上げる分科会」「エスペラント会話教室」、)が開催された。
公開講演の司会は、矢吹(広瀬さんの講演)と松川(藤原さんの講演)。
広瀬さんの演題は「目に見えない世界のフィールドワーク、梅棹忠夫とエロシェンコの
“夜”を比較する」。はじめに「新たな有識者の模索」について話された。フランスの三色旗を触覚の違い(三触旗)で表したり、博物館を誰もが楽しめる「ユニバーサル・ミュージーアム」にするよう取り組んでいること、無視覚流鑑賞について話された。次に、梅棹忠夫とエロシェンコについて。エロシェンコと広瀬さんは、“夜”を受容し、「点字による読書と単独歩行で全身の「触覚」を鍛えるという共通性がある。梅棹忠夫と広瀬さんは、「夜明け」観が違う。梅棹は、物との対話を重視していたので広瀬さんもそれを引き継ぎ、触ることによって物との対話を考えている。盛りだくさんな内容で1時間10分があっという間に過ぎてしまった。広瀬さんが言われるように私たちは、視覚に頼りすぎた生活をしていると思う。目を閉じて聴覚、触覚、嗅覚、味覚など全身の感覚を働かせて、いろいろなことを想像する時間をもつことも必要かもしれない。
次に藤原敬介さんの講演。演題は「大学でのエスペラント体験」。タニヒロユキさんの後どうして僕がエスペラント講座を引き継ぐように選ばれたのかわからない、僕の授業はあまり人気がないから代わってくれる人がいたらいつでも代わってもいいとおっしゃるので、ちょっとびっくりしました。でも、エスペラント語を比較言語学という観点から分析され高い次元から考えられていることがわかり、さすがは研究者だと感服。
4時から閉会式。司会は、松川と矢吹。大会実行委員長(佐藤)からの大会報告、木元会長からKLEG次期役員の紹介、KAEM副委員長の犬丸さんからアジア大会のお知らせの後、松川のピアノ伴奏で “La Tagigxo” が高らかに歌われ閉会となった。
記念品は、矢野明徳さんのの冊子「日本の椿が世界を繋ぐ」と椿油。とにかく無事に終わってよかった。後は、Raporto や吹田市へ出す報告書の作成などの大変な仕事が残っているが・・・。                       (矢吹あさゑ)


藤原敬介さんの講演


広瀬浩二郎さんの講演


閉会式