La Vento 351

La Vento

N-ro 351   2014. 3月号

Suita Esperanto-societo
吹田エスペラント会会報  発行:矢野義男 吹田市山田東2-25-13
郵便振替 00970-0-319578   年会費 6000円  準会費 2400円
ホームページ http://suita.chu.jp


2月号に掲載した矢野さんの原稿の続きです。

背広を着て稲作作りをしよう(その2)
矢野明徳

(10)計量及び袋詰
30kgの玄米を計量機で計量し、袋に詰めて移動していくのですが、手で袋を持ち上げて、カートで離れた場所に移動させるのです。
計量機では紙の袋に30kgが入ると警報がなり、計量完了になります。ここの工程で計量する前後の作業工程では全くの手動で、かなり厳しい作業です。
残念ながら、右手だけではこの自動計量の前後作業はできません。何とか左手を使わずに作業ができるようあれこれ考え、この夏に改造を計画しました。
農機具の展示会に行くと、私が思い描いていた計量機が販売されていました。この計量機には付属機器として、空袋の装着装置と充填後の袋移動用コンベヤーがついていました。この空袋の装着は片手で行い、袋に一定の重さが加わると自動的に計量機の上に乗っているコンベヤーの上に落ちてくるのです。
私はこれだと思ってさっそくこの付属品を購入しました。次に、10M先の袋置き場に移動させることを考えなければなりませんでした。2Mのローラーをコーナンで販売していることを見つけ、これを4台購入しました。計量機の高さと同じにして、セットして試運転してみましたが、これだけでは袋は動きませんでした。袋の下にベニヤ板を置くとうまくいくだろうと考えたてみたのです。これは大成功でした。小指でも30kgのお米を移動させることができました。しかし、10M先に移動させることができたものの、ローラーの高さは15cmあります。手で持ち上げて、床に降ろすことができないのです。来年はこの動作を自動化しよう。そう考えていました。

突然、女房が入ったのです。「最後は私が両手で持ち上げて、30kgの袋を移動させなあかん。こんな自動化だったら、元にもどしてよ!」私は、技術屋の自尊心が傷つけられた思いと、左手が使えない悔しさで、怒り千万でした。まだまだ背広を着てお米を作ることは難しいと感じました。
(11)出荷作業
最後にひもで袋を閉じると、約4トンの袋詰された玄米のコメは農協の担当者が車で引き取りにきて出荷完了です。1.5トンのお米は個人向け(親戚、知人等)です。残り0.5トンは家族で消費します。
私の自宅では大きな冷蔵貯蔵庫を購入して1年分のお米を保存しています。この積み込み作業は大変重労働です。私や妻は不可能ですので息子が手伝います。将来はリフトを購入する予定です。
今後の農業について、一言。現在TPP交渉が精力的に行われていますが、もしこれが現実のものとなると、おそらく田舎の商店が廃業したと同様、壊滅的に農家は廃業に追い込まれるでしょう。上記説明した作業を自動化すれば多くの資金が必要になります。個人の小作農家では限界があります。
将来は昔の大地主の代わりに会社が大規模農業経営をして、現在の農民は会社のその従業員になるでしょう。今の内に、農業経営について知恵を絞り、作業の効率化,軽減化、コスト低減についてを考えていく必要があると思っています。経営的に考えると、限界利益がゼロになるまで、頑張らなければいけません。考えてみて下さい、今ローソンやセブンイレブンの小さい店が儲かっています。昔の小さい小売店と同じ規模です。なぜ小売店は廃業に追い込まれたのでしょうか。

2013年度活動報告

1. 入門講習会
2013年度は開催せず。

2. 例会
5月までは財団法人千里老人文化センター好日荘で月2回、水曜日に行った。内容は2グループ別に学習(読みと訳、言葉の解説)。指導者は矢野義男、松田洋子。
5月23日からは、ほぼ毎週水曜日夜8時から9時にSkype を使って学習。7月17日からは、松井さんも加わり、現在、佐藤、松田、矢野明徳、松井、矢吹の5人で学習している。会員のレポート(矢野さんのものが多い)や、 “Amuze lernu” と “BEKkurso”のテキストを使用。

3. 行事
★吹田市民文化祭参加
11月3日(日)1時~4時。メイシアター小ホールでふれあい講演会が開催され、43名の参加者があった。吹田エス会からの参加は、佐藤、松田、大畑、矢野博幸、松井、矢吹。受付は、大畑、司会は後藤美和、カメラは松田。佐藤副会長挨拶の後、吹田市長の挨拶があった。次に、恒例の吹田市立第六中学校PTAコーラス同好会とHelikoの競演で、エスペラントで3曲「蜜蜂の巣立つ朝」「遥かなともに」「かたつむり」、日本語で「花は咲く」「流浪の民」、手話で「少年時代」が歌われた。東北の被災地の方々を励ますために「花は咲く」は会場の人たちも一緒に歌った。後藤美和さんの司会で進行。
第一部は、市民による海外協力の会、シャプラニール(認定NPO)の台本による朗読劇人生を変えたバングラデシュの女性たち」が4人の中学生、後藤さん、Helikoの藤井さん、吹田エス会の松井さん、矢吹の計8人で演じられた。出演者の感想発表の後、斎藤和子さんが「フェアトレードのある暮らし」というタイトルで話された。フェアトレードは、生産者の人たちが三食食べていけるような、子どもが小学校へ行けるような公平な価格で買って取引をすること、そしてその取引を継続していきましょうというもの。寄付という一時的な行為ではない、対等な立場ですることが大事。斎藤さんが店を開くことになった訳や、店で売っている品物についても話された。更に、DVD「一番身近な海外協力」の上映があり現地の様子が詳しく説明された。
第二部はフェアトレードファッションショー。中学生たちとHelikoのユナさんがフェアトレードの衣装やカバンを一人ずつ舞台に上がり紹介してくれた。  質疑応答の後、斎藤さんを囲んで懇親会がもたれた。
★ 北摂ザメンホフ祭
12月8日(日)1時半から5時、池田駅前南会館和室で北摂ザメンホフ祭が開催された。参加者16名。吹田エス会からの参加者は、矢野博幸、大畑、佐藤、松田の4名。

4. 大会などの参加者
第61回関西大会
5月25日(土)~26日(日)和歌山市民会館で開催され、吹田エス会からは佐藤、大畑、松田、矢吹が参加。
★ 第98回世界エスペラント大会
7月20日~7月27日までアイスランドのレイキャビクで開催。当会参加者なし。
★ 第45回林間学校:9月14日(土)~16日(月祝)善き牧者愛徳の聖母修道会修道院で開催され、佐藤、松田が参加。
★ 第100回日本エスペラント大会:10月12日(土)~15日(火)東京のタワーホール舟堀で開催。矢野明徳、佐藤、矢吹が参加。

5. 外国からのお客さん
林間学校終了後、そのgvidanntoとして参加していた韓国の二人の青年をその週末にかけて、箕面の滝、海遊館、コリア国際学園、、万博公園、KLEG事務所へ案内、その後、西宮の藤本律子さん宅へ引き継いだ。

6.その他の活動

7.会員数(2月現在会員16名、準会員1名)
8.機関紙“La Vento”をおおむね毎月発行。
9.役員
会長:矢野義男。副会長:佐藤守男、会計監査:佐藤守男
委員:大畑賀代子(会計、KLEG委員)、佐々木安子・松田洋子(事務局)、矢吹あさゑ(機関紙・KLEG委員)
10.会費
年間6000円(正会員)、2400円(準会員)

俳句について

私(矢吹)は、昨年末に自費出版で、「教室」という句集を出しました。俳句は、父の手ほどきを受け、45歳から始めたのですが、教職生活にピリオドを打つのを機に句集を出すことにしたのです。いくつかを佐藤さんがエスペラントに訳してくださいました。その中から次の2句を紹介します。
縺れ糸解すのは母鳳仙花     Mia matrino
Malimplikas faderon
…la balzamino

それぞれの趣味に徹して秋ともし  Cxiuj hobioj
Vigligxas kaj florantas
auxtuna nokto

エスペラント語で俳句をつくってみようという動きが佐藤さんを中心に吹田エス会でも出てきました。興味のある方は、ぜひ、挑戦してみてください。