La Vento 354

La Vento

N-ro 354   2014. 6月号

Suita Esperanto-societo
吹田エスペラント会会報  発行:矢野義男 吹田市山田東2-25-13
郵便振替 00970-0-319578   年会費 6000円  準会費 2400円
ホームページ http://suita.chu.jp


第62回関西エスペラント大会終わる!

5月31日(土)~6月1日(日)にイーグレ姫路で、第62回関西エスペラント大会が開催された。会場のイーグレ姫路は4階建てのガラス張りの近代的な建物で「姫路のもう一つのお城」だそうです。窓から姫路城が真正面に見えるのでびっくりしました。参加申込は277名もあったそうです。吹田からは、佐藤、松田、矢野明徳、大畑、近藤、矢吹の6名が参加しました。3時からの開会式では、ロンド紹介の時に佐藤さんのお孫さんの佐藤芙優子さんが挨拶をしてくれました。

関西大会に参加して(報告と感想あれこれ)
矢吹あさゑ
今までは通いの参加がほとんどだったが、今回の関西大会はビジネスホテルに宿泊して参加した。(部屋の鍵がカード式のものだったので慣れていなくてちょっとした失敗もあった。)
1日目は受付をすませてから、藤巻さんの「エスペラント独習の勧め」に途中まで参加した。私を含め、参加者の大半が初級から中級への壁の前で立ち往生していることがわかった。その壁を乗り越えるためには、
①  ある程度の負荷をかけて(少し難しいことを)、からだを使って、つまり、耳や口を使って学ぶ。
②  機能語(前置詞、接続詞、相関詞など)をマスターする。
③  機能語、意味語とも、例文とともに文脈の中で覚える。
④  単語の「音」と「意味」を同時に覚える必要はない。まず、「音」を覚える。
上の①~④のことが大切だそうだ。そして、私たちは、久しぶりに学生気分になって、順番に指名されて何回も例文を音読した。内容がわかるようになるまで。
その練習方法としては、次の3つがある。
①  書き取る(最初は、意味がわからなくてもよい)
②  音読する(最初は、意味がわからなくてもよい)
③  音読しながら理解する。聞く人が理解できるように音読するのが次のステップ。
私は、Heliko のコーラスの練習のために藤巻さんの分科会は途中で出てしまったが、勉強しなくてはならないという思いは強くおこり、大会後にさっそく、中級通信講座に申し込み、勉強をはじめることにした。(目下、難しいので四苦八苦している。3か月は我慢するようにといわれているのだが・・・。)

Gaja Vespero では、Heliko の有志として、松田洋子さんと一緒に参加した。他の参加者は、リーダーの浅田さん、光川さん、藤井さん、当日参加の山田義さん、村田和代さん。曲は、 “Heliko かたつむり”“Glan’,glano falis rule どんぐりころころ”“Vesperrugxo 夕焼け小焼け” “Al amiko malproksima はるかな友に”の すべて小西岳さん訳詩の4曲。療養中の岳さんを励ますためにも歌声が届けばいいがと念じつつ歌った。
Gaja Vespero の他のプログラムでは、松田洋子さんの朗読、“La luno super monto 山月記”が特に好評だった。エスペラントのきれいで流れるように流暢な発音と情景描写の声の演技力に皆が魅了された。終わってから、松田さんに朗読のCD作成を希望された方も数名いた。

夜はアバホテル姫路北のロビーで田平さんを囲んで吹田のメンバー3人(松田、矢野、矢吹)が歓談。吹田の市民文化祭の講演の講師の候補の相談や田平さんの行動力の素晴らしさ(また、アルゼンチンの世界大会に参加される)など楽しい話術に引き込まれて気がついたら10時半だった。

大会二日目。9時15分からの「初心者向け番組1,2」に参加。
初めは、忍岡妙子さんの「新聞紙で作る『ペーパーさん』の冒険」に参加。
王様とペーパーさんの冒険物語に沿って、観客と一緒に新聞紙をいろいろな形(城、赤ずきんちゃん、チューリップ、舟、半袖Tシャツ、長袖服など)に折っていくという楽しい分科会だった。
次は、「アレクサンドラさんと簡単な会話練習」に途中まで参加。自分の言いたいことをエスペラントで言えないもどかしさを痛感。

11時30分からの「みんなで歌おう」にHeliko の有志と村田さんで出演。浅田さんの巧みなリ-ドで会場の人たちと一緒に歌を楽しむことができた。
曲目は “Saluton al vi!” “Knabino” “Esperanto estas la lingvo por mi”. 会場が一つになって 繰り返しの“Esperanto estas la lingvo por ni, por ni. Esperanto estas la lingvo por ni.”を大合唱したことが印象的だった。

午後からは、「柳田国男とエスペラントの人々」という演題で大阪観光大学観光学部の橘弘文氏の講演があった。
まず、柳田国男の足跡についていろいろ話され、次に柳田国男とエスペラントの人々について話された。佐々木喜善、秋田雨雀との関わりやラムステットや周作人との関わりなどについて話された。
最後に柳田の学問の目的は「人間の幸福の追求と社会改良の計画」である。
柳田の学問の方法は、
① 庶民の過去の生活と信仰の考察
② 聞き書きや口頭伝承による過去の生活と信仰の再構成
③ 比較研究(相対化する視点で)
④ 生活の省察。自分のことばで考える「実験」という語の使用
だそうだ。
柳田はエスペラントを学ぶことによって、自分たちの使っていることばをより深く考え、研究を深めていったようだ。(私には、ちょっと難しすぎました。)

講演の後は、野田淳子さんのミニコンサート。ご主人が作詞作曲された「大きな歌 Granda Kantado」(鈴木義彦エスペラント訳)と、 “Jupitero, Steljuvel”(島谷剛作詞)と、 “Mi, birdeto kaj tintilo 私と小鳥と鈴と”(金子みすゞ 作、野田淳子曲、島谷剛訳)と、“Kion post lasis la viro per la morto死んだ男の残したものは”(小西岳訳)を歌ってくださいました。天使のような素敵な歌声にいやされました。

次にエスペラントによる講演、講師はアレクサンドラ綿貫さん、演題は「現代ポーランドに与えた日本文化の影響」。アレキサンドラさんは、ワルシャワ出身、1987年からのエスぺランチスト。1987年日本人エスペランチスト綿貫健一郎さんと結婚、それ以後、日本とポーランドの両国で暮らしている。1999年、夫とポーランドの親友と共に、ポーランドで二番目の日本の漫画専門出版社を設立。以後15年で漫画や日本関係の本を46タイトル、約355冊出版している。(大会案内書から引用)

最後に閉会式が行われた。来年は京都担当で京都国際会館で開催される。大会旗が引き継がれた。

芙優子ちゃんが吹田エス会の代表で挨拶をしてくれました。

エスペランチスト九条の会分科会(責任者:佐藤さん)
6月1日(日)9:15~10:45